変わってしまった世界で
Public Story

変わってしまった世界で

僕は保健室のベッドの上で目を覚ました。白い天井がぼんやりと視界に広がり、消毒液の匂いが鼻を突く。体は鉛のように重く、頭はぼうっとしている。ゆっくりと体を起こすと、記憶が濁流のように押し寄せてきた。ここは……自分が前世でプレイしていた学園冒険ファンタジーゲームの世界だ。 僕はカノン。肩まで伸びたふわふわの金髪と、ミントブルーの瞳を持つ、17歳の少年。可愛らしい顔立ちのせいで、よく女の子に間違われる。元々は貴族の生まれだが、幼い頃に旅商人の養育親である師匠と各地を巡り、様々な知識を身につけた。そして、僕は転生者だ。前世では普通の男子高校生だった。まさか自分が、ゲームの中で一番好きなキャラクターになるとは思ってもみなかった。 隣のベッドを見ると、ライトブラウンの髪を緩く編んだ、可愛らしい少女が心配そうにこちらを見ている。ミアだ。ゲームの主人公の一人。彼女の藍色の瞳には、優しさが宿っているように見える。 「カノン、大丈夫? 気が付...

上羽薄荷
Author上羽薄荷
Created24. November 2025
Chapters24

Story context

World description

主人公がやっていた学園冒険ファンタジーのゲームの世界の中。モンスターやドラゴンがいて、討伐などをしている。 主人公が目を覚ましたのは、学園にモンスターが襲来した後で、もうモンスターは襲来してこない。ゲームではプレイヤーが性別が男性と女性のどちらかを選べるが、どうやらこの世界はゲームの中での主人公である女性キャラしかいなく、男性キャラの姿はない。主人公はゲームの中でカノンは仲間にならないキャラだと思っているようだが、実は学園にモンスターが襲来するイベントでカノンが襲われ、プレイヤーに傷を癒してもらうと仲間になるという裏情報があったりする。ゲームの中でアレックスは協力して戦ってくれることもあるが、仲間になることはなく、学園生活でアレックスは他の生徒から離れた場所にいたり、誰とも仲良くしていないようだし、話しかけても素っ気ないので、主人公はアレックスを一匹狼タイプのキャラと認識している。転生する前の主人公は何度もゲームをプレイしており、カノンを仲間に出来...

Initial situation

僕は保健室のベッドの上で目が覚めた。記憶が頭の中にどっと流れ込んできて、ここは自分が前世でやっていたゲームの中で、自分はそのゲームの中で一番好きだったキャラになっていると気付く。カノンは旅商人ではあるが、今は学園で学生をしている。自分の怪我を回復してくれたゲームの主人公の一人である少女、ミアを見て、学園にモンスターが襲来するイベントだと僕は気付く。このモンスター襲来イベントは、ミアに対する好感度が一番低いキャラが怪我をするというのを思い出し、ミアに対する好感度が一番低いのは僕ということになり、カノンとミアは仲が良くないのだと僕は分かった。僕がゲームをやっていた時はカノンが好きなキャラだったので、カノンは仲間にならないと知っていたが、カノンに話しかけまくったり、カノンから物を購入したりして、ゲームのカノンと仲良かったと自負しているし、モンスター襲来イベントの犠牲になることなんてなかった。僕が高校生だった自分の記憶を思い出す前のカノン自身の記憶を思い出...

Objective

主人公の目的は真実を知り、アレックスを救うこと。 ストーリーラインは、魔法実技の授業や課外授業で二人一組でやらないといけない時に、アレックスが誰とも組まないで一人でやろうとしているのを主人公が「二人でやらないとだめなんだよ」とか言いくるめて一緒に組む。主人公が学園の外門の前で商売していると、一般の男性に女性だと勘違いされて、しつこく口説かれていて困っている所をアレックスに助けてもらって、主人公はアレックスにお礼にと、すぐにどこかにいなくなる師匠のためにと買っていた魔力を流すともう片方の持ち主の居場所が分かる古代遺物のイヤリングの片方(主人公は青色で右耳に、アレックスは赤色で左耳に)をあげるが、魔力を流すともう片方のイヤリングの持ち主の居場所が分かるとは主人公はアレックスには言わない。学園行事の一つの武術大会にアレックスの応援ついでに、主人公が腕試しに参加する。主人公はある日、夜中に大浴場に入りに行ったらアレックスと鉢合わせして、主人公が気にせず服を...

Chapter samples

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Chapter 1
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僕は保健室のベッドの上で目を覚ました。白い天井がぼんやりと視界に広がり、消毒液の匂いが鼻を突く。体は鉛のように重く、頭はぼうっとしている。ゆっくりと体を起こすと、記憶が濁流のように押し寄せてきた。ここは……自分が前世でプレイしていた学園冒険ファンタジーゲームの世界だ。 僕はカノン。肩まで伸びたふわふわの金髪と、ミントブルーの瞳を持つ、17歳の少年。可愛らしい顔立ちのせいで、よく女の子に間違われる。元々は貴族の生まれだが、幼い頃に旅商人の養育親である師匠と各地を巡り、様々な知識を身につけた。そして、僕は転生者だ。前世では普通の男子高校生だった。まさか自分が、ゲームの中で一番好きなキャラクターになるとは思ってもみなかった。 隣のベッドを見ると、ライトブラウンの髪を緩く編ん...

僕は保健室のベッドの上で目を覚ました。白い天井がぼんやりと視界に広がり、消毒液の匂いが鼻を突く。体は鉛のように重く、頭はぼうっとしている。ゆっくりと体を起こすと、記憶が濁流のように押し寄せてきた。ここは……自分が前世でプレイしていた学園冒険ファンタジーゲームの世界だ。 僕はカノン。肩まで伸びたふわふわの金髪と、ミントブルーの瞳を持つ、17歳の少年。可愛らしい顔立ちのせいで、よく女の子に間違われる。元々は貴族の生まれだが、幼い頃に旅商人の養育親である師匠と各地を巡り、様々な知識を身につけた。そして、僕は転生者だ。前世では普通の男子高校生だった。まさか自分が、ゲームの中で一番好きなキャラクターになるとは思ってもみなかった。 隣のベッドを見ると、ライトブラウンの髪を緩く編んだ、可愛らしい少女が心配そうにこちらを見ている。ミアだ。ゲームの主人公の一人。彼女の藍色の瞳には、優しさが宿っているように見える。 「カノン、大丈夫? 気が付いてよかった」 ミアの声は、鈴のように澄んでいる。僕は混乱しながらも、状況を把握しようと努めた。学園にモンスターが襲来したのだ。確か、このイベントはミアに対する好感度が低いキャラクターが怪我をするはずだ。つまり、カノンはミアとあまり仲が良くない……? 前世でゲームをプレイしていた時は、カノンが大好きで、彼に話しかけたり、物を購入したりして、かなり親密な関係を築いていたはずなのに。 高校生だった自分の記憶を思い出す前の、カノン自身の記憶を辿ってみる。確かに、ミアとはこれまでほとんど接点がなかった。ミアはいつも誰かと楽しそうに話していて、僕は旅商人の師匠の言いつけで、学園の外門の前でアクセサリーや薬などを売る事が多かったから、彼女と親しくなる機会がなかったのだ。 「ミアさん……ありがとう。僕は大丈夫だよ。それより、他の生徒たちは?」 ミアは少し悲しそうな顔をした。「みんな無事だよ。カノンが一番酷い怪我だったから……心配したよ」 僕は自分の体を見下ろした。包帯がぐるぐる巻きにされている。確かに、かなり酷い怪我だったようだ。しかし、それよりも気になることがある。この世界に来てしまったということは、あの悲劇も起こるのだろうか? アレックス……。 「ミアさん、アレックスは?」 ミアは少し戸惑ったような表情を浮かべた。「アレックス様なら、もう部屋に戻ったよ。何か用があるの?」 僕は無意識に拳を握りしめた。アレックス。ダークブラウンの髪と、光の加減で緑色に見える茶色の瞳を持つ、孤独な王子。彼は、この学園で誰とも打ち解けようとせず、いつも一人でいる。ゲームの中では、彼はドラゴン討伐に向かい、二度と学園に戻ってくることはなかった。僕は、彼を救いたい。何度ゲームをやり直しても、彼を救うことはできなかった。 「いや、別に……。少し気になっただけだよ」 僕はそう言うと、ベッドから立ち上がった。まだ少し体がふらつく。ミアが心配そうに僕を見ている。 「無理しないで。まだ休んでいた方がいいよ」 「大丈夫だよ。少し歩けば、すぐに良くなるから」 僕はミアに礼を言うと、保健室を出た。廊下を歩きながら、僕は決意を新たにした。今度こそ、アレックスを救ってみせる。

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Chapter 2
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保健室を出て、僕はまず自分の部屋に戻ることにした。貴族向けの男子寮は、さすがに庶民向けの寮とは違って、広くて綺麗だ。師匠の商売がうまくいっているおかげで、僕もそれなりに稼ぎがあるから、この部屋を借りることができている。 部屋に戻ると、僕はまず鏡の前に立った。金髪は少し寝癖がついているが、それ以外は特に変わったところはない。ミントブルーの瞳は、相変わらず綺麗だ。僕は自分の顔をじっと見つめた。カノンの顔は、僕が一番好きなゲームのキャラクターの顔だ。まさか、この顔で生きることになるとは思ってもみなかった。 僕は服を着替えると、学園の中を歩き始めた。目的は、アレックスを探すことだ。彼がどこにいるのかはわからないが、きっと一人でいるのだろう。彼はいつもそうだ。誰とも群れず、孤独...

保健室を出て、僕はまず自分の部屋に戻ることにした。貴族向けの男子寮は、さすがに庶民向けの寮とは違って、広くて綺麗だ。師匠の商売がうまくいっているおかげで、僕もそれなりに稼ぎがあるから、この部屋を借りることができている。 部屋に戻ると、僕はまず鏡の前に立った。金髪は少し寝癖がついているが、それ以外は特に変わったところはない。ミントブルーの瞳は、相変わらず綺麗だ。僕は自分の顔をじっと見つめた。カノンの顔は、僕が一番好きなゲームのキャラクターの顔だ。まさか、この顔で生きることになるとは思ってもみなかった。 僕は服を着替えると、学園の中を歩き始めた。目的は、アレックスを探すことだ。彼がどこにいるのかはわからないが、きっと一人でいるのだろう。彼はいつもそうだ。誰とも群れず、孤独を好む。 学園の中庭を歩いていると、魔法実技の授業が行われているのが見えた。生徒たちが二人一組になって、魔法の練習をしている。僕はその光景を眺めながら、ゲームのことを思い出した。確か、魔法実技の授業や課外授業で、二人一組でやらないといけない時に、アレックスは誰とも組まずに一人でやろうとするのだ。 僕は急いで魔法実技の授業が行われている場所に向かった。案の定、アレックスは一人で立っていた。彼は大きな剣を手に持ち、周りの生徒たちを冷たい目で見ている。誰も彼に近づこうとしない。 僕はアレックスに近づくと、声をかけた。「アレックス、何してるの?」 アレックスは僕の方をちらっと見た。「見ればわかるだろう。練習だ」 「でも、一人じゃないか。二人一組でやらないといけないんだよ」 アレックスは少し困ったような顔をした。「別に、一人でもできる」 「そんなことないよ。先生も言ってるじゃないか。二人で協力して練習しろって」 僕はアレックスの腕を掴んだ。「僕と組もう。僕も一人だから」 アレックスは少し驚いたような顔をした。「お前と? なぜだ?」 「なぜって……。だって、僕も一人だからだよ。それに、アレックスと友達になりたいし」 僕はそう言うと、にっこり笑った。アレックスは少し戸惑ったような顔をしていたが、結局、僕と一緒に練習することになった。 「仕方ないな。今日は特別だ」 アレックスはそう言うと、剣を構えた。僕も短剣を取り出し、彼と向かい合った。 「最初は、簡単な魔法から練習しよう。炎を出す魔法とか」 僕はそう言うと、アレックスに魔法の使い方を教え始めた。彼は少し不器用だったが、すぐにコツを掴み、上手に魔法を操れるようになった。 練習が終わると、アレックスは少し疲れたような顔をしていた。「今日はありがとう。助かった」 「どういたしまして。また一緒に練習しようね」 僕はそう言うと、アレックスに手を振って別れた。彼が少しでも心を開いてくれたなら、嬉しい。僕は、彼を救うために、できることをすべてやるつもりだ。

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Chapter 3
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次の日、僕はいつものように学園の外門の前でアクセサリーや薬などを売っていた。師匠から教えてもらった商売は、なかなか楽しい。色々な人と話せるし、お金も稼げる。何より、師匠が喜んでくれるのが嬉しい。 今日は、新しいアクセサリーをいくつか仕入れてきた。その中でも、特に目を引くのは、古代遺物のイヤリングだ。これは、魔力を流すと、もう片方のイヤリングの持ち主の居場所がわかるという、珍しい品だ。師匠がどこにいるのか、いつもすぐにいなくなってしまうから、これがあれば居場所がわかると思って買ったのだが、師匠になかなか渡す機会がない。 「いらっしゃいませー。素敵なアクセサリーはいかがですかー?」 僕は明るい声で、通りかかる人々に声をかけた。しかし、今日はなかなかお客さんが来ない。退屈...

次の日、僕はいつものように学園の外門の前でアクセサリーや薬などを売っていた。師匠から教えてもらった商売は、なかなか楽しい。色々な人と話せるし、お金も稼げる。何より、師匠が喜んでくれるのが嬉しい。 今日は、新しいアクセサリーをいくつか仕入れてきた。その中でも、特に目を引くのは、古代遺物のイヤリングだ。これは、魔力を流すと、もう片方のイヤリングの持ち主の居場所がわかるという、珍しい品だ。師匠がどこにいるのか、いつもすぐにいなくなってしまうから、これがあれば居場所がわかると思って買ったのだが、師匠になかなか渡す機会がない。 「いらっしゃいませー。素敵なアクセサリーはいかがですかー?」 僕は明るい声で、通りかかる人々に声をかけた。しかし、今日はなかなかお客さんが来ない。退屈だな、と思っていると、一人の男が僕に近づいてきた。 「お姉さん、綺麗だね。ちょっとお茶でもどう?」 男はニヤニヤしながら、僕の顔をじろじろと見てくる。僕は男の顔を見て、少し嫌な予感がした。この男、明らかに僕を女性だと思っている。 「すみません、僕は男です」 僕はそう言うと、男を避けようとした。しかし、男は僕の腕を掴んで、離さない。 「何を言ってるんだよ。そんな可愛い顔して、男なわけないだろ。ほら、一緒に行こうよ」 男は無理やり僕を連れて行こうとする。僕は抵抗したが、男の力は強く、なかなか振り払えない。どうしよう、と思っていると、聞き慣れた声が聞こえてきた。 「おい、何をしているんだ」 声の主は、アレックスだった。彼は冷たい目で男を見下ろしている。 「アレックス様……」 男はアレックスの顔を見ると、慌てて僕の腕を離した。「申し訳ありません! ただの知り合いです!」 男はそう言うと、逃げるように去っていった。僕はアレックスに助けられたことに、感謝した。 「ありがとう、アレックス。助かったよ」 アレックスは、少し照れたような顔をした。「別に、大したことじゃない」 「でも、本当に助かったんだ。お礼に、何かさせてくれない?」 僕はそう言うと、自分の店の商品を見渡した。そうだ、あれがある。 「これ、あげるよ」 僕は、古代遺物のイヤリングを取り出し、アレックスに差し出した。 「これは……?」 「これは、古代遺物のイヤリングだよ。魔力を流すと、もう片方のイヤリングの持ち主の居場所がわかるんだ」 僕は、魔力を流すと居場所がわかるとは言わずに、そう説明した。アレックスは、不思議そうな顔をしながらも、イヤリングを受け取った。 「ありがとう。でも、なぜ俺に?」 「だって、アレックスはいつも一人でいるじゃないか。もし、誰かと連絡を取りたくなった時に、役に立つかもしれないと思って」 僕はそう言うと、にっこり笑った。アレックスは、少し驚いたような顔をしていたが、何も言わずにイヤリングを受け取った。彼は、自分の左耳にイヤリングをつけた。赤色のイヤリングが、彼のダークブラウンの髪によく似合っている。 僕は、自分の右耳に青色のイヤリングをつけた。これで、アレックスがどこにいるかいつでも分かる。僕は少し安心する。

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